鹿児島大学×SDGs事例集
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農学部 食料生命科学科 焼酎発酵・微生物科学コース 応用分子微生物学研究室教授 石橋松二郎/助教 鶴丸博人鹿児島大学農学部ホームぺージ 焼酎発酵・微生物科学コースhttps://ace1.agri.kagoshima-u.ac.jp/gakka/seimei/syochu.htmlタンパク質はその複雑な構造と機能を制御することにより、目的に合致した新機能素材として利用することが可能である。さらに、微生物により大量に生産でき、安価に提供できる。また廃棄する時は、天然材料から作られているためその生分解は容易である。そこで私たちは、微生物タンパク質を利用して環境中や産業製品中から効率的に重金属を回収する新機能素材の開発を目指している。一般にタンパク質は高分子素材と比較すると安定性に乏しいといわれている。そこで注目したのが、極限環境微生物の1種である好塩菌由来のタンパク質群である。これらのタンパク質表面には多くの酸性アミノ酸が存在しているため、その表面にはさまざまな金属イオンが多量に結合している。そして、非常に高い構造可逆性を有し「変性しにくいタンパク質」という特徴を持つ。この様な好塩菌由来タンパク質から重金属回収を目的とする新機能素材の研究開発を行っている。活動の背景・目的関連サイト鹿児島大学農学部ホームぺージ 焼酎発酵・微生物科学コースhttps://ace1.agri.kagoshima-u.ac.jp/gakka/seimei/syochu.html▼備考重金属回収を目的とする微生物タンパク質を使った新機能素材の開発●活動の概要排水や土壌中の汚染物質である重金属や、深海中や産業製品中のレアメタルを効率的に回収出来るため、環境浄化や貴重な海洋資源の回収・リサイクル技術の向上が期待される。また、この新機能素材は安価であり、使い終われば容易に分解できるので環境への負荷も小さい。期待される効果水産学部 水産学科 水産資源科学分野 教授 小谷知也/教授 安樂和彦水産学部 水産学科 水圏科学分野 准教授 久米元E_mail(小谷) kotani@sh.kagoshima-u.ac.jp鹿児島県はウナギ養殖生産量が全国1位であるが、養殖種苗は天然域で採捕されるシラスウナギに依存している。しかし、シラスウナギの採捕量は50年前の1/10程度まで減少しており、養殖の継続そのものが危惧されている。本活動は、ウナギ資源増殖に資するべく、河川における生息環境調査による最適条件の解明と、人為的環境操作による生息環境改善を目的としている。河川域におけるウナギ(クロコ)放流後の生息状況及び放流効果に資する調査、鹿児島県内放流河川の生物の生息状況に関する調査、シラス採捕や養鰻の現場における課題等、ウナギに関わる課題について総合的に取り組む。活動の背景・目的関連サイト鹿児島大学水産学部ホームページ 水産資源科学分野https://www.sh.kagoshima-u.ac.jp/aboutus/organization/frs/鹿児島大学水産学部水産増殖学研究室ホームページhttps://www.facebook.com/LarvalRearingLabo.sh.KagoshimaUnivhttps://www.instagram.com/larvalrearing2010/本活動が、水域の天然資源保全と食料資源生産の持続につながると期待している。▼備考共同研究「鹿児島県のウナギ資源増殖に係る諸課題の研究」●活動の概要期待される効果53

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