鹿児島大学×SDGs事例集
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法文学部・法経社会学科・経済コース 准教授 日野道啓https://kadai-houbun.jp/seminar_info/200803-01/「環境物品」(環境に優しい財、一例として太陽光パネルなど)の国際的な普及について経済分析を行う。目的は次の2つ。環境物品の普及促進を目指す国際ルールづくりの実態の調査・分析。そして、国際的普及がもたらす環境効果の検証である。環境物品の普及に関する国際ルールづくりの歴史と到達点を明らかにした。環境物品の自由化交渉の起点からAPEC合意までのすべての歩みを分析している。また、環境物品貿易の環境効果を計量分析によって確認できた。こちらの検証は世界的にあまり例がなく、本研究が分析対象期間・対象国ともにバランスの良いサンプルを用いた初めての成果となる。活動の背景・目的関連サイト法経社会学科の日野道啓准教授が「日本貿易学会賞」を受賞しました(鹿児島大学法文学部ホームページ)https://kadai-houbun.jp/seminar_info/200803-01/環境物品貿易には目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」への貢献が期待される。環境物品の輸入には環境改善効果があり、とくに発展途上国で顕著だ。その理由は、環境技術が体化された環境物品が現地にもたらされるためである。つまり、国際的な交流に基づき、発展途上国の持続可能な開発目標の実現に繋がるのだ。また、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」にも貢献できる。環境物品の国際的な普及を後押しすることで、環境物品の取引市場を拡大させる。その結果、環境産業の発展が刺激され、新たな環境イノベーションへと繋がっていく。▼備考 リライト変更箇所について全体的に情報の重複を削り、文章をスマート化させています。環境物品交渉・貿易の経済分析●活動の概要期待される効果法文学部・法経社会学科・地域社会コース 准教授 小栗有子https://kadai-houbun.jp/professors/each/oguriyuko/SDやSDGsの文脈で語られる「教育」は、啓発活動として矮小化される傾向にある。一方、1990年代に提唱された「持続可能な開発のための教育(education for sustainable development)」では、既存の教育を批判的に問い直し、方向転換・再構築することを求めている。そこで、専門科目として、地域づくりにおける持続可能性の問題と教育との関係、ならびに人と自然環境との関わりの変化とその影響や要因について学ぶ。社会の変革者として考え通せる力を養うことを目的に、教育機会を提供する。専門科目「持続可能な地域づくりと教育」では、「持続可能性」と「教育」という2つの観点から考察。地域づくりの今後の方向性と教育固有の価値について理解を深めている。専門科目「環境教育論」では、従来の環境教育論を批判的に考察し、環境問題を教育学的に捉えなおす。人間形成における環境の意味を、生命(いのち)という観点から検討。環境変化が人の成長にいかなる影響を与えてきたかについて考察し、人と自然、人と人の関わりの断絶と再結合の意味について掘り下げている。活動の背景・目的関連サイト鹿児島大学法文学部ホームページ 教員紹介/小栗有子https://kadai-houbun.jp/professors/each/oguriyuko/専門科目を通して、持続可能な都市の実現、持続可能な消費と生産、地球温暖化や生態系保護・回復、といった課題と向き合う。そして、人を排除しない経済のあり方を考え、組み替えていけるマインドを持った人を育成できる、と期待している。▼備考 リライト変更箇所について持続可能な地域づくりと教育に関する専門教育●活動の概要期待される効果59

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