機械工学プログラム、大高研究室におけるSDGsの取組事例
工学部
活動の背景・目的
活動の概要
SDGsは、持続可能な開発目標という意味である。我々は、2030年を期限として、世界共通の17の目標を設定し、地球環境を壊さずに経済を持続可能な形で発展させ、人権が守られる世界の実現を目指している。当研究室では、機械工学のエネルギー系の立場から、例えば、地球温暖化やヒートアイランド現象の緩和のために、以下のようなテーマに取り組んでいる。
1. 再生可能エネルギーの導入促進(ライフサイクルCO2削減・カーボンニュートラル)
2. 冷房機などの省エネルギー化(省化石燃料)
「1.再生可能エネルギーの導入促進」について説明する。機械工学プログラムの木下英二教授研究室と共に、バイオディーゼル燃料の開発と排ガス特性について調べている。バイオディーゼル燃料とは、バイオ燃料の一種で、植物からとれる油をアルコールとエステル反応することで得られる燃料であり、バイオディーゼル燃料の使用量を増やすことで、カーボンニュートラルに繋げていこうというものである。研究テーマの例として、鹿児島県は離島の多いことを考慮し、船舶ディーゼルエンジンの排出ガスの規制強化の対策のためにも、バイオブタノール混合A重油ディーゼル燃料の開発を行っている。
期待される効果
◯現在の成果
正味熱効率BTE
ブタノール混合A重油の正味熱効率は、ブタノールの濃度が30mass%以下では25%~35%程度であり、A重油のそれとほぼ同じであった.ただし、濃度が40mass%では着火遅れのため、A重油よりも少し悪い。
排ガス中のHC濃度とCO2濃度
ブタノール混合A重油のHC濃度とCO2濃度は、A重油とほぼ同じであるが、ブタノールの濃度が40mass%まで上げると、着火遅れのため、A重油よりも少し悪い。
排ガス中のSmoke濃度
ブタノール混合A重油のSmoke濃度は、負荷が高い場合はA重油よりも良いが、負荷の低い場合はA重油とほぼ同じで結果であった。
排ガス中のNox濃度
ブタノール混合A重油のSmoke濃度は、A重油の結果とほぼ同じ結果であった。
◯期待される成果
現在のところ、ブタノール混合A重油は、濃度が30mass%以下であれば、A重油の代替燃料として使えることがわかった。舶用ディーゼル燃料としての利用の他にも、工場のボイラー用燃料やビニールハウス暖房用燃料としての活
用も期待できる。