奄美大島産シルク素材の皮膚外用剤開発
大学院医歯学総合研究科
先進治療科学専攻 皮膚科学分野
教授 金蔵拓郎
活動の背景・目的
近年、日本の近代化を支えた養蚕を先端技術で再興させる取り組みが進んでいる。政府も「蚕業(さんぎょう)革命」として後押ししている。私たちはシルクの成分が皮膚の創傷治癒を促進すること、遺伝子組換えシルクは更に高い効果を示し、生体に無害であることを動物実験で明らかにした。この成果をもとに、傷を速くきれいに治す外用剤の開発を目指している。
活動の概要
鹿児島県を代表する絹製品といえば大島紬である。しかし、生活様式の変化に伴って生産量・消費量ともに減少し、奄美大島の絹産業は停滞している。本研究は、奄美市でシルク化粧品を製造・販売する株式会社アーダンと共同で行う。使用する蚕とその飼料の桑は奄美大島で生産。桑栽培と養蚕から、化粧品や医薬品の生産まで産業の循環も創出する。
期待される効果
創傷治癒を促進する外用剤の開発は健康的な生活に寄与する。また、奄美大島地域における新たな産業を創出することで雇用を促進し、経済振興にも貢献できる。