世界遺産地域における自然環境モニタリング

農学部、共通教育センター、教育学部、理学部、総合研究博物館、国際島嶼教育研究センター
鵜川信、榮村奈緒子、藤田志歩、川西基博、渡部俊太郎、田金秀一郎、河合渓、鈴木英治

ushin@agri.kagoshima-u.ac.jp
  • SDGs目標15
  • 奄美市
  • 大和村
  • 宇検村
  • 瀬戸内町

活動の背景・目的


奄美大島の世界自然遺産では、人類の遺産として認められた“固有種(奄美大島にしかいない生物)”を保全しなければなりません。保全を行う上で、まずは、固有種の生息状況を把握する必要があります。また、固有種の存続に影響を与える生育環境の変動や外来種の動向を同時に把握することで、固有種の生息数が減少した場合に、すぐに原因を究明し、それに基づく対策を講じることができます。そこで、鹿児島大学では研究チームを組織し、奄美大島における固有種のモニタリングに取り組んでいます。

活動の背景・目的

活動の概要

奄美大島の世界自然遺産地域に34か所のモニタリング調査区を設定し、固有種とその生息環境、外来種のモニタリングを行っています。固有種では、哺乳類(アマミノクロウサギやアマミトゲネズミなど)や鳥類(オオトラツグミやルリカケスなど)の生息状況を赤外線カメラや自動録音装置を用いて随時モニタリングしています。これらのモニタリングではノネコやノヤギなどの外来種も検出されています。生息環境では、森林の構造や樹木の種類を定期的に測定しています。

期待される効果

このモニタリング活動は、固有種の生息数の減少や絶滅を回避するための“転ばぬ先の杖”になっています。また、得られたデータを解析することで、固有種の生態が明らかになり、これらの知見も固有種の存続に役立てることができます。固有種を保全することで奄美地域の生物多様性を維持しています。