地中レーダー探査による戦跡遺構の調査
埋蔵文化財調査センター 瀬戸内町教育委員会 古仁屋高校
中村直子
- 瀬戸内町
活動の背景・目的
戦跡遺構は、「生きた証拠」として戦争の実態に多面的な歴史理解をもたらす重要な文化遺産です。奄美の瀬戸内町には保存状態の良好な遺構が数多く残り、その一部は国指定史跡として評価されています。しかし、市街地に所在する奄美大島要塞司令部跡などは、地下の遺構について未解明な点が多く残っています。当センターでは、瀬戸内町教育委員会の依頼により、日常生活への影響を最小限に抑えつつ地下の状況を把握するため、非破壊かつ広範囲な調査が可能な地中レーダー探査を実施することになりました。
活動の概要
奄美大島要塞司令部は現在、市街地となっているため、可能な限り小規模な発掘調査による遺構の確認が求められます。令和7年度6月には、古仁屋高校の校庭で、当時の写真や記録から建物の存在が推定される箇所を探査しました。この探査には瀬戸内町教育委員会とともに古仁屋高校の生徒も参加し、地中レーダーによる調査結果をもとに、写真や図面と照合しながら発掘地点を絞り込みました。8月には瀬戸内町教育委員会による発掘調査が行われ、奄美大島要塞司令部の建物跡と考えられる遺構や瓦などの遺物が出土しました。
期待される効果
戦争の歴史を伝える奄美大島要塞司令部の地中遺構が、良好な状態で保存されている可能性が高まってきました。さらに、周辺地域においても地中レーダー探査を活用することで、非破壊で遺構の有無を検討できることが期待されます。これにより、貴重な戦争遺跡を損なうことなく次世代へ伝え、持続可能な文化遺産保護の実現にも寄与します。
















