【地域産品高度活用実証フィールドプロジェクト】アオサプロジェクト
水産学部 助教 熊谷 百慶
南九州・南西諸島域イノベーションセンター 特任専門員 瀬戸口 眞治
活動の背景・目的
長島町の諸浦では,アオサ(ヒトエグサ)の養殖がおこなわれている。収穫時期は1~4月であるが,海水温の高まりとともにアオサの品質低下が確認されている。このことから,各収穫時期における品質の違いを明確にできれば,高品質のアオサを集約し,高グレードの商品として販売することが可能となり,長島町のアオサのブランド化が期待できる。そこで,収穫時期の違いによるアオサの食味成分を分析し,品質の差別化に向けた指標となるデータを取得する。また,養殖アオサの品質が低下する要因として海洋環境の影響が示唆されることから,養殖環境がアオサの品質に与える影響を明らかにし,高品質なアオサ養殖法の開発につなげることを目的とした。
活動の概要
2024年度は,収穫時期が異なる(3月及び4月)アオサについて,アミノ酸分析と官能評価・揮発性香気成分の分析を実施し,風味を比較した。その結果,3月収穫のアオサは4月収穫に比べて,アミノ酸濃度が全体的に高く,特にうまみ成分であるグルタミン酸及びアスパラギン酸の濃度は明確に高い値を示した。また,簡易的な官能試験としてお湯を添加したアオサの食味試験をパネラー5人で実施したところ,3月収穫のアオサは,明らかに香りが高く,うまみも強いという結果を得た。さらに,固相マイクロ抽出法を用いたGC-MS分析により,3月収穫のアオサは4月収穫のものより揮発性成分の総量が多いことが示唆された。
期待される効果
アオサの収穫時期による品質の違いを成分・官能評価の双方において明確にすることにより,質の高いアオサの商品化をめざすことで,長島町のアオサのブランド化を進める。また,養殖アオサの品質に与える海洋環境の影響を解明できれば,より高品質なアオサの養殖方法の開発につながることが期待される。
















