南西諸島在来カンキツの特性解明とその高度利用化の促進

農学部 食料生命科学科 食品機能科学コース 食品分子機能学研究室 助教 坂尾こず枝/教授 侯德興
農学部 農業生産科学科 応用植物科学コース 果樹園芸学研究室 教授 山本雅史

https://ace1.agri.kagoshima-u.ac.jp/agri0034/
  • SDGs目標08
  • SDGs目標15

活動の背景・目的


南西諸島在来カンキツは世界の他のどこにも存在しない貴重な遺伝資源であり、その機能性や果実特性等について未解明の点が多い。しかし、近年では新品種への改植などにより減少が続いており、その一部は絶滅の危機にある。本研究では、果実の機能性と遺伝資源的特性の観点から、鹿児島県在来のものを中心に南西諸島在来カンキツ特有の付加価値を見出し、これらの高度利用化の促進、遺伝資源の保全への貢献を目的とする。さらに、摘果により廃棄されている未成熟果実も機能性評価の対象とし、カンキツ未利用資源の有効活用も試みる。

活動の概要

機能性付加の研究では、南西諸島在来カンキツの抗酸化能・抗肥満効果・美肌効果といった様々な機能性を科学的分析手法を用いて評価することでその特性を見出す。遺伝資源保全の研究では、在来カンキツの栽培・現地調査および基本的果実特性(大きさ、色、糖度、酸度等)や遺伝的特性の解明を網羅的に施行する。これらの結果から、その類縁性や多様性を解明し、果実利用の基礎情報を得ることで、高度利用化の促進、遺伝資源の保全に役立てる。

期待される効果

機能性付加により在来カンキツの6次産業化への発展を試みることで、消えゆく貴重資源の再活性化の方法を示すことが可能になる。これにより作物栽培・利用産業の発展が促進され、経済成長をもたらすとともに貴重な陸上資源の保全にも大いに寄与することが期待される。

関連サイト

▶ 鹿児島大学農学部ホームページ 食品分子機能学研究室