農産物生産の所得成長への課題と方向性の解析

農学部 農業生産学科 食料農業経済学コース 農業市場学研究室 教授 豊智行

yutaka@agri.kagoshima-u.ac.jp
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活動の背景・目的


農業所得の向上は農業発展を促す。また、農業関係者の主要な目標となっている。本研究では、農産物生産からの所得を構成する諸要素がその所得成長にどれだけ貢献しているのかということを定量的に解明する手法を構築した。各種必要に応じて特定された生産地域・作物を対象として本手法を適用し、結果の導出とそれに基づく所得成長への重点課題の考察を行い、所得成長への実践に資することを目的としている。

活動の背景・目的

活動の概要

本手法の特徴としては、特定された生産地域・作物の平均的個別経営体の所得成長の速度への要素寄与を多角的に把握する点、解析に必要な情報として農林水産省『農業経営統計調査』の公表データまたはオーダーメイドデータを積極的に活用する点が挙げられる。
これまでに教員と学生が共同で様々な生産地域・作物の解析を行ってきた。そのうち、鹿児島県における原料用かんしょの場合、所得成長への重要な要素は、労働力の投下時間と単収であることを明らかにした。より詳しい解析成果をJA鹿児島きもつき管内の農業関係者に報告し、今後のあり方について意見交換を行った。

期待される効果

適切な方策に基づく農業の推進と農業所得の向上は、農業地域の持続可能な農業、経済成長に貢献するであろう。本研究から得られる成果は、農業における所得成長への具体的方策の策定に有効な基礎情報でありたいと考えている。