かごしまキャリア教育プログラム(地域人材育成プラットフォーム)におけるSDGs教育

総合教育機構 キャリア形成支援センター 准教授 藤村一郎

https://www.kagoshima-u.ac.jp/job/con-shienprog.html
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活動の背景・目的


鹿児島大学では、他大学にはない全学的かつ体系的な「かごしまキャリア教育プログラム」が実施運営されている。キャリア教育プログラムは地域人材育成プラットフォームに帰属することから、地域課題に全員が取り組む。その際にSDGsの観点は必要不可欠である。キャリア教育プログラムのスタートアップ科目→コア科目→地域キャリア・インターンシップ(課題解決型インターンシップ)に至るまで全ての科目において、SDGsを意識した指導を展開している。

活動の背景・目的

活動の概要

「かごしまキャリア教育プログラム」(地域人材育成プラットフォーム:キャリア系)の諸科目の取り組みは次のとおり。

スタートアップ科目の「キャリアデザイン」は、SDGsの目標達成のために最適な科目である。キャリア教育の目的は「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」を達成することにある(目標8)。さらに、他のSDGs目標とも連関する。例えば、ワークルール(労働法の基礎)を学習する際に、男女雇用機会均等法や男女共同参画社会の構築の大切さについて多くの時間を割いている(目標5)。あるいは、地域の自治体や企業からゲスト講師を招き、持続可能な地域経済を構築するにはいかなる観点が重要なのかを考えさせている(目標9、目標11)。地域の産業についての具体例を学ぶ際に環境(気候変動やエネルギー)への配慮を意識させている(目標12、目標13、目標7、目標14、目標15)。また、公開講座とすることで生涯学習の機会を提供している(目標4)。

コア科目の「社会人基礎力演習」では、ファシリテーションスキル(集団による知的相互作用を促進する能力)の育成を目指し、PBL(課題解決型学習)を採用している。授業の総仕上げの段階において、地域の課題と可能性を理解させつつ、地域企業の社長を招いて「模擬経営会議」を開催している。その際に、SDGsに関わる17の全ての項目を念頭におかせて、「社会人基礎力」の12の能力要素をフル活用し、地域の課題解決にあたらせている。

実地研修「地域キャリア・インターンシップ」では、受け入れ先(鹿児島県内の企業や自治体など)が「課題」を提示し、学生は「解決」策を提案することをミッションとしている。インターンシップの経験や「課題解決」に向けた取組の成果は、地域人材育成プラットフォームの成果報告会で地域へ発信している。

期待される効果

キャリア教育プログラムは、低学年時より個と社会との往還のなかで自己理解を深めつつ、社会を支えるより良い方法を考えさせるという特性を持つ。SDGsのための実践力をもつ個人を育成できる効果が期待できる。

関連サイト

▶ 鹿児島大学ホームページ キャリア形成支援