IoT先端農業実証フィールドにおけるサトウキビ農業のスマート化
南九州・南西諸島域イノベーションセンター、農学部、理工学研究科 岩元宏毅,神田英司,熊澤典良
iwamotoh@km.kagoshima-u.ac.jp活動の背景・目的
鹿児島県は国内サトウキビ生産の4割以上を占め,奄美群島の基幹作物となっている。サトウキビの刈取り作業は機械化が進んでいる(97%)が、農業就業者の高齢化が進んでおり、就労者不足による農作業の外部委託や農地貸出による管理不足を招き、単収の低下といった問題を引き起こしている。本事業ではサトウキビ生産管理の効率化とともにDXによる地域新産業創出を目的に,サトウキビ農業のスマート化の社会実装試験を実施している。
活動の概要
徳之島3町のサトウキビ圃場に気象観測用フィールドサーバーを設置し,微気象観測データおよび生育環境データの収集と同時にリモートセンシング(人工衛星画像解析)による生育状況データの収集を実施している。これらデータは,町農政担当者およびサトウキビ生産関係者(生産者,製糖工場)に提供され,サトウキビの生育状況・生産管理の把握,工場の効率・計画的な稼働のための利用及び農政政策全般に活用されている。またサトウキビ収穫機(ハーベスター)に位置情報収集装置を装着し,生産管理の効率化を目指している。
期待される効果
生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。