「屋久島環境文化村構想の理念と実際の地域づくりの現在」をテーマにした小栗ゼミの屋久島調査実習とその報告交流会

法文学部法経社会学科地域社会コース
小栗有子

https://kadai-houbun.jp/
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活動の背景・目的


 屋久島環境文化村構想の理念には、「島民の内発性(自立)を重んじる」ことを通して、「開発(人間活動)と自然保護の両立」の実現を目指すというメッセージが込められている。このメッセージは、屋久島の地域的課題という次元を超えた現代社会への問いかけでもあり、地域の発展を考える上で今なお普遍的な価値を有する。この理念が打ち立てられて28年が経過する今、屋久島ではどのような地域づくりが進められているのか。この問いを明らかにするために夏休みに毎年地域調査実習を実施している小栗ゼミ(社会教育学・環境教育学ゼミ)では、、フィールドを屋久島に設定した。

活動の概要

7月から事前学習を開始し、問題関心を「屋久島環境文化村構想の理念と現実を近づける〈島に根ざした教育〉と〈住民のかかわり〉」に絞り、調査で明らかにしたい課題(問い)を設定し、ヒアリング項目(質問票)を作成して、8月に3泊4日の行程で屋久島に赴いた。屋久島の「今」を立体的に捉えるために、屋久島町、鹿児島県、国(環境省)等の関係機関や教育施設、屋久島町の二つの集落(一湊集落・中間集落)、及び、NPO法人等の組織や個人で活動する25 名以上の方から話を伺い、屋久島の自然体験と文化体験も味わった。10月から12月にかけて事後学習を行い、ヒアリング対象者別に調査目的、概要、考察をまとめ、総括レポートを「島民のかかわりと島民の内発性」、「屋久島の連携」、「屋久島のコミュニケーション」の3つのテーマで作成し、240頁の報告書を作成した。翌年の3月と7月にオンライン報告交流会を2回開催し、提言内容を地元の方と協議した。

活動の概要

期待される効果

1993年に日本で初めて世界自然遺産に登録された屋久島では、自然と人間活動のバランスの回復を屋久島の地域的課題への取組(自然の保護と生活の対立を超えて、自然と共生する新たな地域づくり)を全国に先がけて取り組んだ。屋久島のこれまでの歩みを学び直すことは、地球温暖化、及び、生態系の保護や回復も視野に入れた持続可能な都市づくりを進めるための課題と教育のあり方を結び付けて考えるための示唆を与えることになる。

関連サイト

▶ https://kadai-houbun.jp/seminar_info/200909-01/ ▶ https://kadai-houbun.jp/seminar_info/200928-01/