パワーデバイスの信頼性向上に関する研究

池田 徹/小金丸 正明

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活動の背景・目的


 脱炭素社会の実現に向けて,化石燃料自動車のハイブリッド車,電気自動車,燃料電池車への転換が進んでいる。また,太陽電池や風力発電などの自然エネルギーによる発電量も拡大している。これらを構成する機器に欠かせないキーデバイスが,パワーモジュールである。パワーモジュールの開発・高信頼化は,脱炭素社会の実現,排ガスを出さない自動車への転換による都市の空気のクリーン化などに欠かせない。また,パワーモジュールは,日本がドイツと共に大きなシェアを握っており,増大する需要を日本が取り込むことが重要である。

活動の概要

 パワーモジュールの故障は,大事故やインフラの停止に繋がるため,その信頼性の確保は重要な課題である。例えば,パワーモジュール中のアルミワイヤボンド部の熱サイクル疲労による断線は,パワーモジュールの信頼性を担保する上で大きな問題の一つである。そこで,このメカニズムの解明と寿命予測技術の開発を行っている。また,パワーモジュール中の封止樹脂と金属基板の熱疲労による界面はく離も同様に大きな問題である。この界面はく離寿命を予測する技術の開発も行っている。

活動の概要

期待される効果

 SiCなどのワイドギャップ半導体を用いたパワーモジュールは,高効率で小型化が可能なため,活動の背景・目的に述べた目標の達成に有益であるが,信頼性の確保はこれまでのSi半導体よりも難しい。このため,パワーモジュールの信頼性の向上は,ワイドギャップ半導体の普及のために不可欠な技術である。