生ごみを肥料化し作物を栽培する物質循環学習教材の開発
教育学部 学校教育教員養成課程(技術教育) 准教授 浅野陽樹
https://www2-edu.edu.kagoshima-u.ac.jp/gakka/asano/活動の背景・目的
日本では、食料を中心とする物質の「搬入>搬出」状況が長く続いており、様々な環境問題が噴出している。そのため、「食料の域内生産⇒域内消費⇒廃棄物からの堆肥製造⇒同堆肥による食料生産」という食料生産に関わる物質循環型社会の構築が重要な課題である。これらの課題解決のためには、小中学校教育において食の観点から物質循環を体験的に学習することが有効で、本研究ではそのような教材開発を目的としている。
活動の概要
残食等の生ごみを土壌生物の力を活用してコンポスト化(堆肥化)し、その堆肥を用いて野菜を栽培する(図参照)。主な活動の場は、小学校の総合的な学習の時間をイメージしている。活動するために必要な技術的な課題の解決、土壌生物による物質循環等の解明、課題解決型学習方法等の開発についても研究を進めている。
期待される効果
- 学習者は持続可能な社会をつくっていくために必要な知識や技能を身につけられる。
- 土壌を基盤とする生態系を豊かにしていくような、持続可能な食料生産の仕組み作りに貢献できる。
- 都市に住む人でも、自身で生ごみを処理することができ、環境負荷を減らすことができる。
- 生ごみを資源としてとらえて肥料化する。環境にやさしい技術と食料生産方法の充実に貢献する。
- 化学肥料を使わない食料生産方法を充実させることで、化石エネルギーの使用量を抑えた環境にやさしい 食料生産技術に関する研究を進める。その技術をみんなが知って使えるように教材として提供できる。