小宝島の野菜を後世に
教育学・教育学部 実習地
龍野巳代/富永善弘/濵川睦文/中野八伯
- 十島村
活動の背景・目的
小宝島では古くから固有の野菜が栽培・活用され、島民の生活や人づくりを通して地域文化の醸成に大きく貢献してきたが、戦後の経済性重視の商用品種の育成や少子高齢化による島民人口の激減等により、これらの作物は絶滅の危機に瀕している。本活動では、この多様で貴重な遺伝資源を維持・保存・伝承しながら、実践的食育プログラムに活用することによって伝統的な地域文化や生活文化を消失させることなく未来へと守りつなぐことを目的としている。
活動の概要
【伝統野菜の発掘・調査・収集・保存】小宝島に残存する在来作物を収集し、栽培特性解明や遺伝資源評価を行うとともに、これらの行事食・伝統食レシピや島で担ってきた役割など民俗学的見地による歴史的文化的背景の分析を行う。
【食育教育プログラム】農学・民俗学的考察を加えた在来作物を学習材とした食育教育プログラムを十島村立小宝島小中学校で実践する。
期待される効果
本研究の食育プログラムを実施することで児童生徒が地域の作物について理解を深めるだけでなく、達成感や成就感を持つことによって食意識の向上や島への愛着をも深めることができる。また、児童生徒の活動に島民の方々が参加することで地域と学校双方に支えあうシステムを構築することが可能となる。豊かで多様な地域の食文化を学校が中心となり後世へと守りつなぐことで、地域産業の振興や地域の活性化など多くの効果が期待される。