持続可能な環境教育の実践 リサイクル製品づくりなどを通して
鹿児島大学教育学部附属特別支援学校 小学部/中学部/高等部
https://www2-edu.edu.kagoshima-u.ac.jp/ssschool/活動の背景・目的
児童生徒は,日常的に身の回りの掃除や整理整頓を行う活動に取り組んでいます。その際に不要になった物をごみ箱等に捨てる経験をすることは多く,生活経験から分別して捨てることが定着している児童生徒もいます。しかし,自身が捨てた不要物がどのように処理されているか,なぜ分別して捨てる必要があるかなどについて十分理解するまでに至っていない様子が見られることがあります。そこで,児童生徒が暮らしのなかで排出される不要物に着目し,それらがどのように排出されているか,それらが環境にどのような影響を及ぼしているかなどについて調べたり,考えたりする学習活動を実践することで,身の回りの自然を大切にする気持ちを育み,身近にある「捨てるもの」を再生して使用することで,「使わなくなった物=捨てるもの」という認識から,使わなくなった物も工夫すれば生活に役立つものになり得ることに気付いたり,身の回りに再生可能な事物がないか探そうとする態度を育んだりすることを目的としています。
活動の概要
小学部:生活単元学習「学校周辺を探検しよう」では,身の回りの地域マップづくりや,身近な甲突川及び郊外での清掃活動に取り組んだり,かごしま環境未来館で学んだりしています。
中学部:作業学習「手すきはがきづくり」では,牛乳パックをリサイクルして製品づくりを行っています。また,生活単元学習で身近な甲突川に出掛け,ごみが落ちていことに気付き,それらが環境に及ぼす影響について調べ,分かったことをまとめたり発表したりする学習に取り組んでいます。
高等部:生活単元学習「私たちと環境」では,身近な物に表示されているリサイクルマークを探したり,マークの意味を調べる学習に取り組んでいます。社会見学を通じて家庭ごみの処理の仕方や社会のルールについて学んでいます。また,作業学習「シュレッダーごみの吸油パックづくり」では,シュレッダーごみを不織布に包んだ「吸油パック」を製品化し保護者向けに販売しています。
期待される効果
身近なごみ問題に向き合い,ごみの削減や資源の有効利用について,自分たちができる活動を継続することで,持続可能な社会の構成員として自覚できるようめざしていきます。特に,中学部・高等部では,実際にごみを資源としてリサイクル製品づくりを行い,販売することで意識や意欲が増すだけでなく,製作に関わる職員や製品を購入する保護者への影響も大きく,ごみの削減等に係る意識を高めることに寄与することができます。