鹿児島沿岸で行われている底曳網漁業による海洋ごみ回収特性の解明
水産学部 水産学科 水産資源科学分野 准教授
江幡恵吾
活動の背景・目的
海洋ごみ問題をこれ以上悪化させないためには、陸域から流出したごみが沖合に移動したり、劣化してマイクロプラスチックに微細化したりする前に、すなわち流出直後の沿岸域に滞留している間に速やかに回収することが重要である。沿岸域での回収には流動環境や海底形状を熟知している地元漁業者の協力が不可欠で、本研究では沿岸漁業によるごみ回収の実態を解明することを目的としている。
活動の概要
沿岸漁業によって、どのような海洋ごみが、いつ、どれくらい回収されているのかを明らかにするために、薩摩半島・大隅半島の沿岸で実態把握のための調査を行っている。その結果から沿岸域における海洋ごみの蓄積分布を定量的に明らかにしていく。
期待される効果
鹿児島県内の漁業関係者と密接な連携のもとで調査を進めている本研究の成果を広く公表することで、海洋ごみ問題の解決に向けて、沿岸漁業者が積極的に海洋ごみ回収に参画し、海洋環境保全に貢献できる社会システムの構築および海洋汚染防止対策の提言に繋げたい。