都市化の拡大が昆虫に与える影響と都市環境への適応

理科教育講座動物学研究室
栗和田隆

kuriwada@edu.kagoshima-u.ac.jp
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活動の背景・目的


野生生物が生息している環境は急速に都市環境に置き換わっています。そのため、もともとそこに棲んでいた生物は都市環境に適応するか移住するか絶滅するしかありません。それを決定するのは変化の急激な都市化という現象にうまく対抗進化できるかどうかであり、都市特有の環境とそれぞれの生物の特性がそれを決めることになります。したがって、野生生物の都市環境への適応を理解することは、都市の生物多様性を維持、管理するために必須であると考えられます

活動の概要

都市にも郊外にも生息し、実験しやすいコオロギの仲間を対象に、都市と郊外とで、どのような特徴が進化しているのかを解明しています。特に、人間活動による騒音や人工光がコオロギの生態にどう影響し、またコオロギたちはどのように対抗しているのかを野外調査と室内実験によって検証しています。

活動の概要
自然度の高い海浜域に限定的に生息するハマスズ。 生息地の砂の上にいると、ほとんど見つけられない( 右写真には 4 頭いる 。)

期待される効果

都市環境が野生生物に与える影響を解明することで、生物多様性を維持できる都市とはどういったものなのか、野生生物と共存するにはどういった環境が必要なのかといった持続可能な都市計画についての基盤情報を得ることができると考えています。